Movin Café

Vol.01

「ビジネスリーダーを育てる」を生業にする伊藤羊一氏。そんな彼が株式会社ネクスウェイの社員総会で講演したエピソードをぎゅっとまとめてご紹介したい。

 

伊藤羊一:東京大学卒業後、1990年に日本興業銀行に入行。2003年プラス株式会社に転じ、2012年同社執行役員ヴァイスプレジデントに就任。2015年4月 ヤフー株式会社に移りYahoo!アカデミアを立ち上げ。現職はヤフー株式会社コーポレートエヴァンジェリスト 兼 Yahoo!アカデミア学長、株式会社ウェイウェイ代表取締役社長、グロービス経営大学院客員教授などビジネスリーダーを育てるために広く活動を行う。著書に『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』『キングダム 最強のチームと自分をつくる』がある。

今日はネクスウェイの皆さんに喝を入れに来ました!・・と言っても大体ね、僕の話はきっとほとんど無駄です!皆さんにとってひとつも役に立たないかもしれません。

なぜなら、たった数十分間の話で皆さんに喝が入ったり、皆さんが変われると言うなら、そんな毎日苦労してねえよって話です!

ただ、そのほとんど無駄な僕の話を聞いてちょっとでもいいな、面白かったなと思ってもらえたらそれは嬉しいし、明日からの行動に変えてもらえると、ひょっとしたら誰かのお役に立てる時間になるかもしれない。

 

伊藤氏は清々しく、明るくそう切り出して講演を始めた。

講演のタイトルは「Lead the self 未来を創るリーダーシップ」だ。

 

リーダーというのはその後ろには誰もいない。だから自分が決めなければいけないということをその時に知った。

 

東日本大震災が発生したとき、彼はプラス株式会社ジョインテックスカンパニー(以下、ジョインテックス)の物流復旧チームリーダーになった。未曾有の災害が列島を襲った翌日から早速動き始め、業界最速で東北全県のジョインテックスの物流を復旧させた。

 

当然、社会だけでなく社内も混乱を極めていた。まだ業務方針が固まっていない状況のそれでも、リーダーとして会社全体を仕切り、水や電池、食料品、消毒液や台車、ゴム靴、土嚢(どのう)等、ジョインテックスに入ってくる商品で被災地に必要なものはすべて東北に回せるようにした。そのために東北以外の地域への出荷は独断でストップした。

 

すると、混乱の最中だったこともあったのだろう。出荷を止められた顧客からのクレーム、東北以外のお客様を抱える社内の営業からも問い合わせが続出。針のむしろだった。

 

「やること」を決めるというのはカッコ良く聞こえるかもしれないけど違う。リーダーは「やらない」ことも決める。それには確実に痛みを伴うんだ。

でも、それをリーダーが決めないと進まないということに気がついた。これが僕の目覚め。

 

その後、同社では執行役員ヴァイスプレジデントまで歴任。そのままプラス社でビジネスマン人生を終えるつもりでいたそうだ。

 

しかしある時、親交のあったヤフーの宮坂氏と食事をしていたときのことだった。それまで、事業を通じて社会に貢献することを生業とし、そこに喜びを感じていた彼に、思わぬ誘いがあった。

「ヤフーで学校をやるんだけど、羊一さん立ち上げをやってくれないか」ときた。当時は教育を本業にする気もあまりなかったのだけど、「どうしても羊一さんにお願いしたい」と言われるし、更にプラスのオーナーにも”お嬢さんを僕にください!”と言わんばかりの気概で会社まで来て、オーナーも「伊藤くんはそっちの方が良いんじゃないの?」と。それでヤフーに行くことにしまして。今、それから3年経って、教育を通じて社会に貢献することが天職だと思えるようになった。

 

親交の深い宮坂学氏(写真左下:ヤフー株式会社前代表取締役社長 ※2018年6月25日修正)と伊藤羊一氏(写真右)

プラスからヤフーへ。自身の環境が大きく変わろうとしている中で、彼はこれまでの自身の人生を振り返って「譲れない想い」に気づいたという。

新卒で入社した会社ではメンタルが不調になってしまった。元々人見知りだったこともあって、人前で喋ることも、面と向かって話すことも苦手だった。でも今は、得意になって好きになった。

そういう自分になれて「よくやった、自分」と思えるし、そうなれたのはやっぱり仲間のおかげで、色々な立場、価値観の人たちの対話の中で自分が変わっていけた。

 

そう話す彼は、①人は変われる、②人と人の関係はフラットである、③仲間が大事である、という「譲れない想い」が育まれていったという。

 

そして、講演はいよいよ本題、“未来を創るリーダーシップ“へと進む。リーダーというのは「リードするひとだ」と、彼は言う。

 

仕事をやっていけば、必ず社会につながっていく。だから、最終的には皆さんが社会を動かしていく、導いていけるようになってほしい。

 

不確実性の高い社会。靄(もや)がかる未来

彼は、そのような社会環境を前提にしたイノベーションを期待しているのだろうか。いや、違う。

 

それは日本を変える!なんて大きい話じゃなくても良い。自分のいるコミュニティや自分が過ごす場所、行く場所。仕事を通じて、そこにいる人が元気になるお手伝いをして活気が生まれる。そういうことだって素晴らしい。それをきちんとやっていく。そのためには仲間と協力する。結果として、リーダーは人を巻き込んでいく。

 

世の中に様々な内容で流布するリーダー論、リーダーシップの体系。「喝を入れに来た」と始めたように、彼のそれはシンプルでアツく、多くの社員にその言葉が刺さ

 

これなんだ!と自分が誰よりも信じているから、自分が一番熱狂しているから人がついてくる。そういう自分になれるか。社会や人を動かす前に「自分の人生をリード」してワクワク出来ているか。それが大切で、そのために過去を振り返って「譲れない想い」を見つけて欲しい。その上で、我々はどうしなければいけないのか考えよう。

 

震災のエピソードの裏側でネクスウェイのサービスを使ってくださっていたというご縁もあった。およそ40分間、確かに伝わる講演をしていただいたことにこの場を借りて感謝を申し上げたい。

参加していた従業員200名が200通りの人生を歩んできた。過去が違えば、それぞれの「譲れない想い」も違う。それを持って、どのようにこの先の未来を変えていけるのだろうか。

 

過去が現在につながり、現在が未来につながる。こんな未来がいいなあ、と思うだけでは未来は変わらない。あなたの「譲れない想い」が本物ならば、迷わず今日から行動を変える。現在の経験を変えることが出来れば、未来は変わっていく。自分をリードして、人・社会をリードできるようになってほしい。だから、まずは自分の「譲れない想い」にしっかりと向き合って欲しい。

 

想いに向き合い、自分をリードしていく。それはあなたの周りのひとや、あなたの過ごす場所、社会をリードすることにつながる。

 

さて、あなたの譲れない想いはなんですか?

 

(探求者/研究者の見る世界から、あしたを過ごすヒント)

  1. 自分の「譲れない」想いをみつけるために人生を振り返る
  2. その想いが本物であれば、迷わずあなたの経験を変える行動をする
  3. 不確実な未来を待つのではなく、自分でつくってみる。

 

伊藤羊一さんのご著書:

今年4月に入社した新入社員の力作!会場は六本木EX THEATERにて!

 

文責:丸尾 拓也(Movin’ café編集長)

 

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